私には忘れられない人が二人いる。一人はブログにも書いた人。
もう一人は、中学時代に好きになった男の子。
彼との恋は実らなかった。
だから余計に忘れられないのかもしれない。
あれほどにも純粋に恋をすることはもうできないだろう。
今でも心にひっかかるこの想いがどういう感情なのかよくわからない。
憧れなのか懐かしさなのか、はたまた恋の残骸なのか…
彼はすごく優しく少し強引で、そしてお調子者で、一途で、かっこよかった。
彼のことは中学で終わった恋なのになぜか今でも心に残っている。
中学時代の集まりがあるときくと彼が来るのかどうかすごく気になってしまう。
高校になっても彼への想いをひきずり、彼さえ手にはいるなら私はMとしての快感や満足を得られなくてもいいと思うこともあった。
彼とつきあえるならなんでも我慢できるような気がした。
片思いで終わったからこそ未だにひきずっているのかもしれない、たとえ新しい恋をいくつしても、彼を忘れることはないだろう。
私の心には片思いのままの彼と、両思いのまま別れざるをえなかった彼とがずっとずっと居る。
そして私を苦しめるんだ…
SEXは必要としないと書いたけれど、一人だけ例外がいた。心から私は彼を愛してた。
彼にされることはなんでも嬉しかった。私が苦手とする痛みを伴うことも、奉仕することも。そしてSEXも。
彼とのSEXは私にとって特別だったし、これからもそれは変わらないんじゃないだろうか。
彼がうまかったとかそういう次元の話ではなくて、彼に抱かれることはすごく嬉しかった。
私は、苛められたい、と思うことがあってもSEXしたい、いれてもらいたい、と思うことはまずほとんどない。だけど彼とは違っていた。
彼がほしくてたまらなかった。いれて、とねだったこともあった。
こんなにもMな私が、SEXをなくてもいいと考える私が、そう思えたことは自分でも驚きだったし、特別なことだと思った。
彼をものすごく愛していたから、ほしかった。彼の全てが。
彼の為ならいつも必死になれた。
なんでもできるような気がしていた。
自分がこんなにも人を愛することができたことも嬉しかった。
彼との日々は幸せだった、つらく哀しいこともたくさんあったけど、思い出すのは楽しかったことだけ…
そして、苛められ、泣いた日々のこと…
その優しい声に欲情し、
その冷たい声に発情し、
その目に私は懇願し、
貴方は私を抱きしめる
私の肌に触れるその指は
時には強く
時には優しく
私をいつも支配する
貴方の全身が私の全てを支配する
貴方の目には抗えない
貴方の声には抗えない
そして私は
跪き
貴方の足に
キスをする
「愛しています、心から」
と…
きっと彼が思っていた以上に私は感じていた。それを彼に悟られたくなくてできる限り平気なふりをした。
自分をさらけ出すのは私にとって甘えることと同じで、恋人でもない、友達とすら呼べない人にそれはしたくなかった。
ならどうして会ったのかという矛盾はでてしまうのだけれど…
拘束をとかれてベットでたわいのない話やさっきの圧縮袋の話をしていた。
彼は私が圧縮袋にいれられたときの反応は布団ごしでみえなかったはずだった。
少し欲情させたくなってその時の気持ちをいった。
「袋が私を圧迫し始めた瞬間ぞくっとした。感じて涙目になりそうだった。」
と。。。
すると彼は、やはり私がそんなように感じていたとまでは思っていなかったらしく、それを聞いて圧縮袋の中に入れたがりはじめた。
ただもう時間は夜中。
騒音にもなるし…というとすごく残念そうで、でもやっぱりあきらめたくなかったのか、掃除機の音の実験を始めた。
そして掃除機に布団を被せれば多少音は防げるといい、再度圧縮袋へ…今度は裸のまま…
怖くないわけじゃなかった。
私は基本的に暴れるのが苦手だ。
控えめな暴れ方じゃまだ大丈夫だと勘違いされたりしたらどうしようとか思う。
外の人間に限界を見極める術は中の人間の表情と動きだけなのだから。。。
だけど彼の行動をみて少し安心した。
すぐに圧縮袋のチャックを開けれるようにあけやすいように、暴れだしたらつまみにくくなるからとテープを口にはってあけやすくしていたようだった。
そして掃除機の音が聞こえた…
周りの空気がなくなっていく…奪われていく…
私を物にするために…
自分では自由にならない自分の躰。
私はそんな状態が好き。
なすがままされるがまま…
そして圧縮袋の中では呼吸までも制限される…
どんどん苦しくなっていく…
残り僅かな空気を吸おうとするとビニールが余計に私の体を締め付ける。
自分の呼吸で…
限界が近づき必死でもぞもぞと体を動かし「出して…」と願う…
苦しい…お願い、出して…
限界の少し前に開放された。
袋が開き、彼が私の顔を覗いた。
その表情は少し心配そうに案ずる顔と、楽しそうで、でも理性を保とうとつらそうな顏…そんな風にみえた。
息もすこしあがっていて、苦しかったけど、なんだかその目にみつめられると恥ずかしくなって思わず微笑んでしまった。。。
彼はあまりセックスに執着がないらしい。
私と似ているな、と思った。
私は元々、セックスを必要としない、基本的には相手が望むなら、という感じ。決して不感症ではないし、したらしたで気持ちいい。
だけど私が欲しているものじゃない。
拘束されたり苛められたり…そんな時に感じるゾクゾク感、胸の奥からこみあげるような快感、それはセックスでは得られない。
セックスも奉仕も、サービスされるのも苦手。相手を好きだからできることであって自分からしたいとは思わない。
セックスに1時間かかるなら、その間拘束されて放置されて、たまに遊ばれて、言葉で苛められて、泣いて…そんな方が私にとってはずっと満足感が得られるのだ…
どこまで私は変態なんだろうと思う…
だけど、つきあってもいない、愛してもいない、はじめてあった彼のその目をみたとき、あぁこんな人が彼氏だったらいいな、と一瞬だけ思ってしまった。
もちろん性癖だけでお付き合いはできないし、性癖よりも性格や気があうことの方が大切だからそれだけで好きになったりはしないけれど、
私の性癖ととことん合う人かもしれない、そう思った。
そう思えば思うほどなんだか素直になるきがしなくて、なぜか憎まれ口ばかりたたいてしまう。
あぁ、だけど私は昔からそうだったな、と思い出した。
かまってもらいたくて毒を吐く、苛めてもらいたくて苛めようとしてしまう。
子供っぽくかわいくないやりかただな。。。昔からプライドが高く気が強い、なのに甘えたでさびしがり…そんな私にはこういうやりかたしかできないんだ…